調査対象
全国に391社(平成26年5月末現在)ある特例子会社のうち、東京都内に所在地がある120社の中で
ホームページ上またはメールでのアンケートの送付ができる(Ⅰ)82社 / (Ⅱ)62社
調査方法《(Ⅰ)(Ⅱ)共通》
①アンケートフォームにパソコン等からアクセスし、インターネット上で回答。
②メール添付にて回答済みアンケートファイルを送付。
調査期日
(Ⅰ)平成27年8月5日~31日
(Ⅱ)平成27年10月15日~11月10日
回答状況
回答数 (Ⅰ)51社 / (Ⅱ)24社 有効回答数 (Ⅰ)50社 / (Ⅱ)24社
回答率 (Ⅰ)60.9% / (Ⅱ)38.7%
※有効回答における特例子会社の知的障がい者の雇用率は、(Ⅰ)94% / (Ⅱ)91%
Q.知的障がい者をどのような形態で雇用されていますか?
Q.知的障がい者において18歳という年齢は就労に十分な年齢であると思いますか?
Q.知的障がい者を採用する際に重要視される条件は次のうちどれですか?
また、それはなぜですか?
特別支援学校高等部の新卒者であることを重要視する理由
●働くことに対して高い意識と目標設定がしっかりしているから。
●採用までに企業内での実習を複数回行うことで、企業の可能性と適正な業務の見極めができるから。
●会社と学校の違いが理解できており、規則やマナーがある程度身についているから。
●在籍の社員の多くが就業技術科の出身であるため、溶け込みやすいから。
●企業実習をすることで、その人の個性や特性において業務とのマッチングが図りやすいから。
就労支援機関を利用していること
●ご家庭やご本人との意思疎通が難しい場合や、直接伝えるよりも就労支援機関を介して伝えた方がスムーズにことが運ぶケースも多くあるから。
●就労支援機関とのつながりで、本人の理解者が増え、就労を継続する為に重要である生活場面でのフォローができるから。また、就労継続が困難になった時のセーフティーネットの場の確保になるから。
●問題が起きた場合の責任分界点をなるべく明確にしておきたいから。 また、問題発生の原因が、仕事以外(家庭生活・友人関係・疾病等)のプライベートな領域な所にある場合、会社と当事者(あるいはその家族)との間に入ってくれる 支援機関の存在は非常に大きいから。当事者が会社に言えない困りごとなども、支援機関を介して 把握することで、職場改善につなげる事もできるから。
●長期的に就労を継続していく為には、就労支援機関・家族・本人・会社間での日々の連携は重要と考えるから。
●特例子会社と就労支援機関が提携しており、就労支援機関を経て会社に就労すると形態になっているから。
●会社で安定して働いていくには、家庭や余暇などの生活面での安定が必須となるが、会社は家庭や生活には踏み込むことができない為、その役割を担う就労支援機関は重要と考えるから。
●支援機関側と協力体制を築くことで 企業側が直接立ち入れない生活上の課題についても 一貫した支援が可能となるから。
●企業と社員との間において、業務上だけでなく生活上の問題や課題がある場合の対応もふくめて、就労支援機関に第三者的な立場によりアドバイスを貰い、解決につなげていきたいから。
●企業は業務以外の事にあまりかかわることはできない為、業務以外の生活面等についてのカバーを就労支援機関にしてもらい、就労の継続につなげていきたいと考えるから。
●会社でのトラブル(作業実績、人間関係、社会性等々)において、その解決には物理的な環境要因だけでなく、指導員・生活相談員・産業医などの人的サポートが重要となってくるから。また、様々な事由により退職になった際も、次のステージのバトンをつなぐ為の中間位置で就労支援機関が大きく役割を担っている。
Q.次の年齢層の障がい者を雇用する事に対し、どのように思われますか?
Q.知的障がい者の賃金を決定する際に考慮している事項は次のうち どれですか?
Q.採用に当たり、知的障がい者にどのような力を期待しますか?
Q.就労に向けて教育機関に期待される事をお聞かせ下さい。
●入社した事がゴールではなく、長く働いていく事が重要です。社会に出る前に何を準備するべきかを考え、テクニカルスキルだけでなく、人間力を培う事が大切です。様々な経験が積めるような取り組みが必要だと思います。
●業務知識やスキルよりも、まず社会性を身につけさせて欲しいです。
●たくさんの職業があります。少しでも多くの仕事に触れ、ご本人たちの選択できる幅を広げて欲しいです。就労率の問題があるとは思いますが、本人が望まない職業や適性が合わない業務への就労は、結果的に早期離職につながります。「働かなくてはならない」は仕事をしてからで十分です。まずは「働きたい」と思えるようになるよう布石をお願いします。ジョブマッチングの基本はスキル面や障害特性だけで決めるものではなく、本人の意向がまず一番に来るべきかと思います。
●社会的自立へ向けて、会社が立ち入りにくい、障害年金、性、恋愛、金銭管理等も積極的に教えて欲しいです。業務はまじめで意欲と体力があればスピードは遅くとも習熟できますが、私生活での自立に関して、社内で育成する体制は整っていないのが現状です。
●企業にはそれぞれ独自のスキルがあり、それは企業が指導するものなので、就業するにあたっての作業スキルはさほど重要ではありません。 ただ、そのスキルを学び取るための態度や姿勢を身につけておくと、就職してからスムーズに定着できると思います。
●働く準備ができている事、働く意欲があり未来に希望を持っている事、ある程度のビジネスマナーが身に付いている事、コミュニケーションが取れる事、以上について期待しています。
●就労する上で必要な基本的生活習慣や生活技能の獲得、保護的な環境から第三者の中で活動をする環境変化への経験を積む事をお願いしたいです。個人情報保護の観点は承知していますが、学校や家庭での教育歴や生活歴のスムーズな情報連携をお願いしたいです。
●個々の生徒の障害特性を考慮し、性急な企業就労にとらわれることなく、 就労に必要な基礎的部分(体力、生活、健康管理)の習得を期待しています。
●企業に入社してから知的障害者に向けた体系的な教育があるわけではないので、学校教育の中での教育は重要であると考えています。
●採用する側として何を一番重視するかといえば、知識や技術の習得度合いではなく、基本的な生活態度、周りとのコミュニケーション能力、性格等だと考えています。 目標とやりがいを持って、みんなと一緒に働いてもらけるよう、協調性や仕事に対する意欲を育んでほしいです。
●働く事について理解できるような教育を希望します。
●主体的に考える事ができる教育を行っていって欲しいです。
●障がい者各人が、自分の障がいの特性をよく理解し、各人が得意としている事を伸ばすような教育をお願いしたいです。
●社会生活を送れるように、働く事の意義・意味・目標を理解できるように指導をして欲しいです。
●社会人となった後の事も見据えたコミュニケーション(特に挨拶等のマナー)・協調性が必要かと考えています。
●仕事に対しての意識づけを行って欲しいです。仕事は大変かもしれないけど、一生懸命仕事をする事で徐々に出来る事が増えていき成長に繋がる。また、給料がもらえると、親孝行したり、自分で好きなものが買えるという事を理解し、仕事をしたいと思ってもらいたいです。
●行政サイドを含めて教育機関に対して「職業科」の充実・拡充などを目指すよりは、挨拶や“社会に出ていくための基礎的なこと”を教えることを、お願いしたいです。そこから始めるのでは、企業としての負担は余りにも重すぎると考えます。