からみとつらなり~川口せんせと砂連尾せんせ~
とても良いお天気になった日曜日。
初主催のイベント「からみとつらなり」みんなのワークショップを開催しました。
今回の会場は、小竹町会館さんです。
「会場はこちらですよ~」
ワクワクしながら、みなさんをお出迎えです。
受付は、高校生コンビ。
初対面の二人ですが、息はぴったり!
さて、いよいよイベントスタートです。
今回のイベントを企画・コーディネートしてくれた鈴木一郎太さん(株式会社 大と小とレフ 取締役)から開会のご挨拶。
今回は、「集団(みんな)」をテーマにした4つのワークショップシリーズ。
4つのワークを通して、多様なひとで成り立つ社会を体感したり、考えてみるきっかけにしようという企画です。
午前中の講演をしてくださる「川口せんせ」です。
川口さんは、茨城県結城市にある結城病院の作業療法科科長でいらっしゃいます。
(TVドラマの撮影で有名な、とても素敵な病院です)
ご自身が作業療法士として、病院や施設で高齢者の生活支援にあたってきたときの経験談から、お話がスタートしました。
「生活」とは何でしょう?
日常当たり前に使っている言葉ですが、ただ単に「ご飯を食べる」とか「歯を磨く」といった動作を示すだけではないという川口さん。
「生活」は「生き活き」と書くように、イキイキと生きられていること。
そのためには、「誰かとつながっている」と感じられること、「誰かの役に立っている」と感じられることが、とても大切なのだと言います。
映像資料と合わせて説明してくださいましたが、その様子がとてもよくわかります。
誰でも加齢とともに、今まで「できた」ことが「できない」ことに変わっていきますが、「できない」自分で埋め尽くされてしまい、生きる意欲まで失ってしまった、とあるご老人のお話。
ネガティブな発言が目立ち、生き活きとはとても言えない毎日の生活。
そんな彼女も、集団の中である役割を与えられ、自分は人から期待をかけられている存在であることを知ると、その後の発言や行動に大きな変化があらわれます。
「できない」ことが減ったわけでもなく、ご自身の状態が改善したわけでもないのですが、今「できる」ことに目を向けて、自分への期待に精一杯応えようとしている姿が見られます。
自分に与えられた役割や自分へかけられた期待が、イキイキ生きることの源になっているのです。
「支援」という言葉。
例えば高齢者や障害者を支援するとか、日常的によく使われていますが、川口さんのお話を聞いていると、この「支援」という行為の前に、支援する側の人としての在り方が問われているような気がしました。
相手の状態に左右されることなく、その存在にとことん寄り添えるかどうか。
自分の偏見や先入観にとらわれることなく、今、目の前にあるその存在をありのままに認めることができるかどうか。
「人」としてどう在れるのか、それが露になる感じがしました。
相手とのコミュニケーションが取りづらくなればなるほど、問われる力。
支援者と非支援者の関係性を超えられないとき、コントロールしたり支配することに近い、独りよがりの支援になることは大いにあると思います。
川口さんはご自分に対しても常にそれを疑うことを忘れず、支援にあたられています。
一方で、その関係性を超えた先にある「本当の支援」がもたらす効果に大きな期待をかけていて、その期待が想定外の可能性を生み出しています。
今日伺ったお話は、特別なことではなく、日常のあらゆる場に置き換えらえると思いました。
人として、あらためて「傾聴の姿勢」「寄り添いの心」を大切にしていきたいと思います。
川口さん、素敵なお話をありがとうございました。
午前の部が終わり、みんなでお弁当を食べながらお昼休みです。
午後に備えて、しっかり腹ごしらえ。
さて、午後のワークショップが始まりました。
午後のワークショップ講師は「砂連尾(じゃれお)せんせ」です。
「砂連尾」さんってとても珍しいお名前ですが、
日本には砂連尾さん一族しか、この性を名乗る方はいないんだそうです。
ダンサーさんであり、振付家でいらっしゃいます。
さあ、輪になってワークを始めましょう。
まずは、深呼吸から。
呼吸をすることに意識を向けると、今まで気づかなかった「自分の身体」を感じるようになります。
無意識のうちに、いろいろな所に力が入っていることに気付きます。
つぎは、ストレッチです。
イタ気持ちいいいポイントまで、体を伸ばしていきましょう。
つづいて、胸を開いていきます。
手を頭の後ろで組んで、パートナーにも手伝ってもらいます。
なんとも気持ちよさそう顔ですね!!
(ちなみに、この方は28日の講師の柏木さんです。)
体がほぐれてきたところで、いよいよ異なるレイヤーへダイブしていきます。
まずは「ゆっくり」な世界を体感しましょう。
画像ではわかりづらいですが、みんな ゆーっくりとした動きになっています。
誰かと出会えたら、ゆーっくりと挨拶をしてみたり。
続いてダイブするのは、自分へのレスポンスがない(少ない)世界。
自由気ままな子どもだったり、壁だったり。
レスコミュニケーションを体感していきます。
そして、最後は、
人が「不快」と感じる状況をつくりだし、不快感をも排除しないという世界の体感。
不快を与えるために、砂連尾さんをつねってみます。
こんなに強くつねっているのに、平気な顔押している砂連尾さん。
(腕を見ると、結構な感じなのですが・・・)
みんなあちこちで、つねったり、つねられたり。
こんどは「不快」を感じる距離感で相手に迫っていきます。
日常にない世界観へみんなでダイブした今回のワーク。
さいごに、みんなで振り返りの時間を持ちました。
うまく言葉にならない人が多かったけれど、
言葉にはできない何かを感じ合えたのではないかと思います。
素敵な時間でした。みなさん ありがとうございました。
次回は、4月28日(土)小竹町会館にて
10:30~「シアターゲーム」講師:柏木陽せんせ
13:30~「音のコミュニケーション」講師:片岡祐介せんせ
お時間ある方は、お気軽に遊びに来てください (^▽^)/