2019年8月2日

【文科省委託事業】練馬区教育委員会夏季集中講座の講師としてお話しました!

練馬区教育委員会夏季集中講座の講師としてお話しました!

《テーマ》
卒業後を見据えた特別支援教育のポイント
~自立ってなんだろう~

《概要》
特別支援教育を担う教職員は、生徒の発達課題と学習ニーズを把握し、内容をわかりやすく伝える多彩な工夫ができるといった高い専門性が必要であると考えますが、必ずしもそうとは言えない現状があります。
また、練馬区内の小中学校特別支援学級で教育を受ける生徒たちは、そのほとんどが東京都立特別支援学校高等部に進学しており、生徒たちが学校終了後にどのように社会に移行し、どのような生活をしているかなど、練馬区の教職員が社会における当事者の状況を把握しづらいことがあります。
そこで教職員が、卒業後に地域社会で暮らしている当事者と交流できる機会を創出したいと考えました。
練馬区教育委員会の協力を得て、教職員向け夏季集中講座にて当事者が講師を務めるという形をとりました。
一方的に話を聞くだけではなく、当事者とのグループディスカッションを通して、当事者が学校教育を振り返って思うことを共有しながら、教職員があらためて「自立」や「学び」について考える機会となりました。

《講座の流れ》
① 障がい児・者を取り巻く社会的課題について説明
またその解決に向けた取り組みを紹介〈代表理事〉
②当法人の自主企画について説明
地域の中で主体的に生きていこうとする当事者の姿から、あらためて「自立」について考えてもらう〈当事者〉
③「自立=就労」というイメージが根強いため、就労先での厳しい現状を知らせる〈当事者〉
④モアタイムねりま(生活訓練事業所)で学んでいることの紹介〈当事者〉

《参加教員の事後感想》
・これまで教え子たちの卒業後を意識したことがあまりなかったが、
今回の講義を受け、卒業後を見据えた教育をしていきたいと思ました。
・実際のお話を伺うことができ、人としての原点を改めて感じることができました。
・卒業後の進路先だけでなく、さらに長期的な視野を持って保護者や児童に支援していきたいと思いました。
・子どもの話をもっともっとよく聞くこと、自分で決めることの大切さをいつも念頭に置いておくようにしたいです。
・企業就労の現実も知りました。
・みなさんの表情から、毎日充実して学ばれていることがよくわかりました。

《事前学習による当事者の発言「学校の頃を振り返って先生に言いたいこと」》
●先生はきっちりしすぎ。もっとユニーク、ユーモア、サービス精神旺盛になってほしい。
●いじめられた方にも責任があるって言う。和解しないままに卒業したので、今でも思い出して拒否反応が出る。
●障がいのあるなしで差別する。すぐできる人の方へ行く。
●先生は話を聞こうとしない。逃げる。面倒くさがる。自分で解決しない。
●態度が悪いってペンで頭をたたかれた。なんでなぐるのか知りたい。暴力はいけない。
●説明してくれない。
●先生が机をけった。反抗期みたい。ガキかよ!
●「早く」って言われるのがいやだったのに、何度も言われ、パニックになっても理解してもらえなかった。
●「音を立てて食べるな」ってよく言われたけれど、あごの状態が悪くてできないのに理解してもらえなかった。

未解決のまま、心の中に  置き去りになっ て いることがある。
昨日のことのように鮮明に思い出される。
(「事前学習」での当事者の姿から )

《日時》2019年8月2日(金)
《会場》練馬区学校教育支援センター
《参加者数》63名(うち教職員 49名)
《主催》練馬区教育委員会