社会(地域・福祉・企業の連携システム)が支える、
学校教育終了後から生涯にわたる継続的な学びの実践研究事業
〜コミュニケーション経験を基盤とする生活・就労支援プログラムの構築〜

本事業は、当団体が平成27、28年度に実施したアンケート調査結果(※)をエビデンスとして、「就労とコミュニケーション」をテーマに、学校卒業から就労への移行期におけるギャップを、学校外での学びに関するノウハウや、学びの機会を提供する各種団体とのネットワークを生かしながら、プログラムの内容・相関関係・実施方法、環境整備等を、どのように組み立てれば、「当事者の自立した生活・就労」を支える「学び」となるのかを実践的に検証するものです。

特別支援学校高等部等の学校教育との連携・接続の視点を持ち、当事者性を最重要視することを基本として実施していきます。

※NPO法人格取得前の任意団体「ままのがっこ」として実施した特例子会社を対象とするアンケート調査及び、知的障がいのある子どもの保護者を対象とするアンケート調査等による調査結果

1.効果的な学習プログラムの開発

背  景


就労にかかるライフスキル

  • 就労の現場において、異性間、同性間、上下関係などの対人関係や金銭管理などが大きなトラブルとなって表面化しており、就労を継続する妨げとなっています。その背景として、他者の力を借りながらワークライフバランスを保つ行為の不得手さが推察されます。
  • 企業が障がい者に求める要素と、学校教育が提供している学習内容がミスマッチを起こしています。就労にあたり根源的な考えである、就労の意義への理解や労働意欲を企業が求めるのに対し、学校では実習を通じたスキルアップが中心となっています。

【参考】東京都内の特例子会社86社に対するアンケート調査(回答率60.8%)より一部抜粋

Q.就労に向けて小中学校・高校(高等部)等の教育機関に期待される事をお聞かせ下さい。

  • 入社した事がゴールではなく、長く働いていく事が重要です。社会に出る前に何を準備するべきかを考え、テクニカルスキルだけでなく、人間力を培う事が大切です。様々な経験が積めるような取り組みが必要だと思います。
  • 業務知識やスキルよりも、まず社会性を身につけさせて欲しいです。
  • 働く事について理解できるような教育を希望します。
  • 主体的に考える事ができる教育を行っていって欲しいです。
  • 社会的自立へ向けて、会社が立ち入りにくい、障害年金、性、恋愛、金銭管理等も積極的に教えて欲しいです。業務はまじめで意欲と体力があればスピードは遅くとも習熟できますが、私生活での自立に関して、社内で育成する体制は整っていないのが現状です。
  • 障がい者各人が、自分の障がいの特性をよく理解し、各人が得意としている事を伸ばすような教育をお願いしたいです。

② コミュニケーション

  • 障がい者は学校教育やその時期の生活空間が閉ざされた環境にあることが多く、その力を培う機会が圧倒的に欠如しています。共生社会の実現に向けて、リアルな社会の中で、実際に多様な人と関わり合いながら、より早期から、より多くその機会を持つ必要があります。
  • 地域住民にとっても、日常生活で障がい者と出会う機会は少ないと言えます。健常者、障がい者双方が自然と交わり、その結果として地域社会の受容性が育まれる機会を持てていない現状となっています。

③ 権利保障

  • 健常者にとっては当たり前に有する機会も、障がい者にとっては仲間に会う事さえ容易ではない事がわかっています。
  • 進路勉強会に参加した保護者から、多様な進路の選択(さらなる学びの機会の選択)を望む声が上がっています。

【参考】小・中・高等学校及び特別支援学校のいずれかの教育機関に知的障がいを持つ子どもが在籍している保護者71名に対するアンケート調査より一部抜粋

Q.お子さんの進路について、保護者としてお考えになる事をお聞かせください。

  • 一人ひとり個性があるにも関わらず、高校・高等部卒業後は就労という大きな流れに疑問を感じます。
  • 高校2年なると体験自習も有るが、どのように決めて実習を受けていけばいいのか、わかりません。また、高校3年生なると進路を決めなければ行けない事は、とても早すぎて大変だと思います。
  • 今、一番に強く感じている事は、高等部を卒業した後の就労の事ですが、思っていたより選択の幅が狭く、子どもの現状ともあわせて、厳しさを感じています。
  • 18歳になったら 就労するしか道はないのでしょうか。親としては、もう少しゆっくりと学ばせてあげたいと思います。
  • 高校卒業後は、就職。それ以外の選択肢が増え、自分がやりたいことを見付ける機会、時間が増えると良いと思います。
  • 高等部卒業後の進路として、すぐに就労、施設入所などではなく、2年なり4年なり、さらに学ぶ機会を作って欲しいです。
  • 高等部卒業後すぐに就労ではなく、学びの場の選択肢が増えるといいと思っています。

実 施 内 容


①10のテーマによる学習プログラムの実施

本プログラムは上記の背景から、自立した生活を目標とした就労(又は就労を見据えた)に向け、直接的あるいは間接的に必要な力を培う事を目的として構成されています。また、他者との偶発的な出会いにより、自然に学ぶ機会をつくるため、一部の講座に一般参加者を受け入れたり、コミュニティスペース事業ILDKとの連携を図り、地域社会の受容性の向上も目的に含んでいます。

また、プログラムの実践にあたっては、
・コミュニケーションを核とした内容の構築
・実験的な環境づくり
・当事者ベースでの検討
の3点を基本としていきます。

  • CLOSED講座は、軽度知的障がい者(一般就労している、または一般就労を見据えている)を対象として、就労する上での根幹となる物事の考え方や意義を学ぶものとします。
  • OPEN講座は、一般からの参加も受け入れることで、講座からの学びとコミュニケーションからの学びの相乗的な効果を狙います。

CLOSED

オリエンテーション
交流会
修了式

自主活動

当事者主体で行う活動として、障がい者と地域住民の共生の場づくりILDK事業が実施する「とくいの銀行」イベントに参加します。準備から参加までのプロセスにおいて、自分自身をあらためて見つめ直し、小さくても自分の「とくい」な世界を発見・表現しながら、自信を持って主体的に活動していくためのきっかけをつくり学びます。

仕事の意義

参加者同士で、「働く」をテーマに今までに出会った困難や生きがい、これからの夢や憧れなどを自由に語り合い、思いを共有していきます。現在、働いている様々な方を講師に招き、「働く」ことの意味や地域で長く働き続けることができるための仕組みなどについて、当事者の立場から考え学びます。

生活をつくる
(お金とくらし)

収入やお金の使い方は人それぞれであり、参加者の暮らしぶりやお金の管理の仕方やお金の価値の理解など、グループ討議を通してそれぞれの状況を理解することから始めます。上手に使えば、充実した生活を送ることができるお金に関する知識や無理のない計画とともに、税に関することなど長期的な視野に立ちながら、金銭管理とくらしについて考え学びます。

人間・性と生

参加者の実態と課題に応じたディスカッションや調べ活動を通して、いのちやからだに関しては科学的な視点を、関係性に関しては自分と相手の人権を尊重し合う視点を重視しながら、学びます。学びの楽しさが自己肯定観を育み、その力が生涯にわたって自ら課題を見つけて学び続け、発達し続ける土台となるよう、学んでいきます。

OPEN

からだと表現

表現には多様性があることをワークショップや座学を通して学び、参加者が場を共有することでつくられる小さな一体感のなかで、お互いの表現活動を尊重できることを大切にしていきます。友人や家族など身近な人とだけでなく、多様な人たちが交わることから生じる人間関係やそこから繰り出される表現活動の新たな発見などを体感し学びます。

文化・教養

身近な素材を用いた科学実験を通して、自然現象をダイナミックに理解することで、日常生活を多様な視点から学びます。また、地域には文化や言語を異にする人々が身近に暮らしていることを知り、障害や人種の垣根を越えた共生社会が必要であることを学びます。

栄養と健康管理

参加者の健康や食生活に関する関心を把握したうえで、検診や講座などを活用しながら、健康維持・増進のために必要な知識、適切な食生活から心と体の健康について学びます。

防犯・防災

防災・防犯リスクの高い障がい者、高齢者、子どもなどへの対応は、共生社会を実現するための課題であり、区民全体に理解を広げながら、必要な知識について学びます。

地域活動

社会参加が障がい者にとっての権利であることを学ぶ機会として、身近で地域活動やボランティア活動をしている方々との対話により、障がい者が社会参加のために必要なこと、困難なことなどを参加者同士で共有していきます。実際に社会参加としての機会をつくり、体験することを通して学びます。

②地域との自然発生的なコミュニケーション促進

通年にわたり開かれた場を舞台として、自然発生的なコミュニケーションの実践と、コミュニケーションを通した学びの機会をつくります。

 

③ワーキンググループでの講座プログラムの検証

ワーキンググループでは、①の講座プログラムを、多様な専門家の視点から多角的な検証を行い、内容や相関関係を次年度に向けて精査していききます。また、次年度プログラムを連携協議会に対して提案していきます。

※ワーキンググループは、当事者性を重要視する様々な分野の専門家に加え、障がい当事者を加えた組織としています。

2.実施体制および連携モデルの構築

・・・只今、準備中です・・・

3.コーディネーターの配置およびボランティアの活用方策の開発

・・・只今、準備中です・・・

4.成果等の普及

・・・只今、準備中です・・・